テレビで、面白いニュースを見ました。すごくロマンがあるのでご紹介しますね。
今晩(4月18日)、フランス大西洋岸の港町で、大勢の人たちに見送られて、アメリカに向けて、帆船が出発する、という。これは、エルミオーヌという名で、235年前、ラファイエットが、大西洋を横断した3本マストの帆船を複製したもの。
この帆船は、今晩出帆し、アメリカ独立記念日の7月4日には、ニューヨークに接岸するそうですよ。そのときに持っていく仏政府からのお土産は、フランスが最も誇りとするもの。1789年、世界初に起草した「人権宣言」の複写です!
この元祖となる船は、普通の帆船ではない。それもそのはず。ちょっと歴史のお勉強ね。高校時代世界史の授業で、すっごく感銘を受けたことなんです。以下難しい話になるけれど、頭が痛くなる方は、ここで打っちゃってね。
1776年にアメリカでは独立戦争っていうのがあったのを覚えてる?当時フランスでヴォルテールの啓蒙思想というのが広まって、その思想がアメリカの人たちに大いに影響を与え、独立宣言になっていく。
当時、フランスは、イギリスと仲が悪かったので、そのイギリスと戦って独立しようとしていたアメリカの蜂起軍に、援軍を送った。(ウイキペディアによると、ラファイエット侯爵は、援軍要請にフランスまで来たベンジャミン・フランクリンの考えに共鳴し、自費を投じて帆船を購入し、軍隊を連れて行ったそうですね。1780年、その二つめがこの船。)
その後、、、蜂起が飛び火して、フランスの国内で、大革命(1789年)が起ころうとは!「事実は小説より奇なり」となります。
めでたく、アメリカは独立を宣言。活躍をしたラファイエットは、フランスに帰国後、自国の絶対王政を立憲君主制にするように運動。仏大革命直後、人権宣言起草に着手した人なのですねえ。(この人権宣言の第1章は、「人は、自由かつ権利において、平等なものとして出生し、かつ生存する」という人間平等を、第2章で天賦の人権を、第三章で人民主権、第11章で思想・言論の自由をうたっているのです!ちょっとお勉強でした。)
ヴィクトール・ダルゴー作の油絵
その後アメリカ独立100年祭の折、フランスから、アメリカに「自由の女神像」の大彫刻が送られたのですよね。彫刻家オーギュスト・バルトルディがその彫刻を制作し、組み立てているパリの街の様子を伝える油絵があるので、ご紹介しましょう。
この帆船は、また8月末にフランスの港町に戻ってくる予定とか。迎えに行ってみたいなあ。