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カルチャーの語源は、むかし英語の授業で聞いたことがある。
畑を耕し苗を植えることも大地の滋養を受けるからCultureといいますよね。 芸術文化に親しむことで頭脳も心もリフレッシュして楽しむこともカルチャーです。
そんなことが体感できるイベントに行ってきました。
トゥール市から南東の郊外、ロワール河を見下ろす高台。サンタベルタンの町にカンジェ城という城があります。(以前お話したカンデ城とは違います。念のため。)
屋根も崩れて荒れていた個人所有の城を市が買い取って、立派に修復。今では、城内で、メディアテーク(図書館)。広い敷地は、憩いの公園になっています。
この日曜日は、この公園で、春の植物展。いろいろな苗や植木を中心にカルチャー(土を耕し文化に親しむ)催しです。
城の公園にマッチして、昼のお食事処も、いいセンスですねえ。かなり高級ムード。
屋内では、いろいろな展示即売会。面白い画家の作品を見ました。「だまし絵」と、Anamorphoseアナモルフォーズという円柱鏡に結像させて絵を描く技術です。これは、欧州の伝統になっている描写法なのでしょうね。画家さんによれば、このテクニック、芸術専攻者は必ず、学習するそうですよ。
16世紀のホルバインが描いた「アンバサダー」という油絵を思い出しました。これは見る角度を変えると、ある一点で、絵の中の骸骨が結像する描き方です。ご存知ですか?
芸術の伝統が、日常の中に脈打って今に伝えられていることをひしと感じましたねえ。
年末にサンマロに行ったとき、浜辺に素敵なウイークリー・マンションを見つけて春のために予約をしていたのです。4月始めの一週間、そのマンションを借りて、海辺を歩きに行ったのですが、たまたま、新月の日のとき。この年一番の大潮でした。テラスから見下ろす散歩道が、大波をかぶって、、、。ミミーも、風のない時を利用して、散歩道を歩いていて、油断をしたのです。膝まで波をかぶってしまいました。
ブルターニュの海辺に沿ってGR34(グランド・ランドネ34)という健脚用のコースが何百キロと続いていますよ。
ここにジャンが住んでいて、引き潮のモン・サン・ミッシェルで一緒に貝拾いをする予定だったのですが、天気が悪すぎて行けなかった。瀬戸内海の潮干狩りと違って、モン・サン・ミッシェルは、沼地で土地勘のない者一人では行けないそうな。何キロにもわたって深入りをすると、満ち潮がすごい速さで押し寄せてくる、という危険なところ。
(ちなみにモン・サン・ミッシェルでは貝類の保護のため、貝拾いの許可地区が季節によって違い、貝の大きさも一定サイズ以下では禁止されているそうですよ。)
ジャンは冬の間、南洋の島で4ヶ月を過ごして戻ってきて、ここサン・マロにつないでいる小舟で釣りをするのが趣味という話をしましたね。ロブスターを獲る檻も自分で作って海に沈めます。釣りをすれば魚を何匹も釣ってくる。彼が舟と釣りの話をするとき、目が輝いてもう79歳とは思われないほどの情熱が伝わってくるのです。何歳になっても情熱がある人は美しいですね。サンマロ版の「老人と海」。
サンマロは昔、中世から海賊と新天地への船乗りの町としてで有名だったのですよ。アメリカやカナダまで航海の船がでて、魚やスパイス、インド会社の布など持ち帰って海運王も生まれ、この町はとても豊かになったそう。時にイギリスやスペイン、オランダとの戦争が勃発すると一獲千金の働きをしたり、商船が沈没すると一夜のうちに全財産をなくしたり、波乱万丈の人生が織りなされた城塞都市だったのです。
第二次世界大戦で爆撃を受け、町の大半が壊れ、戦後、復元したとのことですよ。
サンマロから、船でランス河の向こう岸に渡ると、ディナールの町。
海を渡ってくるイギリス人の別荘が多いところ。GR34のウオーキングコースが素敵です。
復活祭といっても北風が冷たい。でも、春分を過ぎると、こんなにたくさんの野花が咲いているのですね。田舎家の広い敷地に見つけた野花。もう水仙を始め、いろんな花が咲いていました。
スミレの花など三種の食用花を散らしたサラダは素敵な香りが口の中に広がりました。
今日は4/1のエープル・フール。フランスではpoisson d’avril(四月の魚)。なぜ魚なのでしょうね?
子供達は、友達の背中に紙で書いた魚を気付かれずに貼り付けて遊ぶ。大人達は、この日だけ嘘をついて遊ぶのです。新聞・ラジオでは、この日、必ず、面白い嘘のニュースが流れますよ。まことしやかで、それでもちょっと考えるとエープリルフールに引っかかったとわかる。日本では考えられないですねえ。